秋葉さんの進歩と調和 - 秋葉さん誕生秘話 -


凛とした面立ちの正統派妹ヒロインとして満を持して発表されたのが「(無印)秋葉さん」(左)である。
才色兼備で大金持ち、ツンデレヤンデレ、どSだけど打たれ弱いなど、天はテレビショッピングのおまけの如く二物も三物もてんこ盛りに設定した。
しかし、「胸がない」「上から目線が怖い」「威圧感で子どもが泣いた」と一部の市民が些細な欠点に反発、「愛される妹ヒロイン」のデザインを勝手に一般公募する事態に発展した。
ただしスケジュール的に抜本的なリニューアルは不可能であったため公式秋葉さんとしての地位を死守し、黒髪・ヘアバンドなどの基本パーツは後発秋葉さんにも引き継がれている。


一般公募の結果選出されたのが「新秋葉さん」(中央)である。
小動物系で丸みを帯びた体型と愛らしい笑顔、そして思いきった年齢設定のカットで愛される妹ぶりを際限なく全面に押し出した。
大胆なデザイン変更が注目され滑り出しはまずまずだったものの、よく見ると目の笑ってなさが克服されておらず現在ほど冷たいまなざしでヒロインに見下されることに理解のない時代だったこともあり、次第に支持率が低下。
さらに、おとな向け要素があるにもかかわらずおむつをしていることにプロデューサー兼原画担当が気づき、「これ、描いても出しても俺一人が捕まるんじゃね?」と問題視。それに対し「じゃね?」と他人事のように返答した原作者とつかみ合いの乱闘となった(血の王将事件)。
しかし、子どもや子ども並の画力を持つ大きなおともだち、さらに海外の丸投げ先が適当に描いても大崩れはしないインダストリアルなデザインが重宝され、根強い人気がある。


第三極として登場したのが「にゅー秋葉さん」(右)である。
前二者の欠点を完全に解決した明るい笑顔が最大のチャームポイント。頭身も子どもバランスで、無理のない妹感をかもし出すものとなった。
しかし、「鼻」「デコ」「合掌」「がにまた」「スーパーひとしくん」「にゅーと言いつつにゅーがない」「70年代アニメのボロ家に住んでる系脇役の妹」「こんな秋葉さんのオマ○コ、僕舐めないよ!!(富野総監督)」と外見についてのあだ名と批判が先行、無印と新が繰り広げるしょっぱいファイトに埋もれ目立たない存在となる。
その満面の笑みにもかかわらず原作者が設定変更を拒否したため性格が従来通りであり、屈託のない笑顔で「泥棒猫」「殺しておけばよかった」などと発言するアンビバレンツ極まる強烈な個性の持ち主となった。
また、三人中最も屈強な肉体を誇りリーサルな雰囲気の靴を着用していることから、「人畜無害そうだけど実は裏で何人か消してる系」「志貴・琥珀と一緒に並んでると狂気がほとんどヘルシング機関並み」とマニアックな評価を受けた。
これらの病んだポイントに注目し、リメイクすれば大化けするポテンシャルの持ち主(参考:ねこ娘@第5シリーズ)として20年後に期待する極めて気の長い関係者も存在する。