冬本リリース決定


新刊:秋葉系(あきはけい) 500円


というわけで遅くなりましたが、出ます。
何でそんなにがたついていたのかは、上の写真でもお察しいただけるかと思いますが、いつもとかなり造作を変えてしまったのです。造作が変わるとお作法も変わるのに、それを10日足らずで白紙からやることになっちゃいまして。

  • オフセットじゃありません

こすると指が黒くなる、従来式の印刷です。
いつもの印刷屋は印刷したはしから紫外線を当てて硬化乾燥させるハイテクなインクなのでなかなか黒くなりませんが、これは普通にインク乾かす式らしいので簡単に落ちます。ご注意ください。
表紙にトレーシングペーパーがかかってるのはオサレ的側面もありますが、主に写り防止という現実的な事情がありますので、この本につきましてはできるだけ印刷面に触れないようにした方がいいかもしれません。
以上のことから、この本に関しましては多少の汚れでの交換はご遠慮願うことになります。何とぞご了承ください。
またそういうややっこしい本ですので、トラブル防止のため今回はとらに委託できません。遠くにお住まいの皆様におかれましては誠に申しわけございませぬ。

  • 蛍光ピンクの部分がテカッてますがそういう印刷です

綴じ糸まで蛍光ピンクです。なんぞ。
綴じ糸ということで、今回は無線綴じ(背側が平たいのり付け)ではなく、真ん中をミシンで縫った中綴じ本です。

  • 中身も全部2色です

この分版が面倒で。
ほら、普段は黒版だけなので吹き出しの下とかにトーンがかかってても全然気にしないんですが、多色刷りで色毎に版が違う場合、朱色指定したトーンを無造作に出力してしまうと目隠しになっていた黒版がそのままなくなるので、残らず印刷されてしまうのです。
つまりセリフの白い部分に朱色のトーンがかぶって印刷されるという最悪の事態になるので、別途マスクしたりセリフの形に削らないとダメだったり。
おまけに、朱版だけだとプリンタで出力しても何がどうなってるのかわかりづれーので、つまるところ印刷されてみるまで結果がわからなかったのでリリース決定が遅れました。表紙だけなら前にもやったことがあるんですが、本文で16ページ以上ってのはなかったので。
あと、ひとりでやるにはこれくらいのページ数が限界だなと思いますた。
これやってる最中、低精度の印刷で多色する際の藤子F先生の画風というのはすごい洗練されたメソッドなのだなあと思いましたよ。

  • 中身はいつも通りです。


ね。
紙は緑っぽい雑誌風の紙です。多少裏が透けます。
「印刷精度に難があります」と印刷屋のマニュアルで散々注意されたので、いつもの60番線のトーンを30番線まで落としたり線を意識的にごつくしたりしましたが、なかなかどうして、案外精細に出てる気がします。言うほど粗くないというか、普通に60番線でやっても大丈夫そうです。
ただ、さすがに色同士の版ずれはコンマ数ミリとかのオーダーですが絶無ではございませんので、そこは仕様ということで。


さんざん後ろ向きなことを書きましたが、なかなかおもしろい感じにできていると思います。いつもの精密に出すぎてしまうオフセットより、こういうガサッとした感じの仕様に向いた絵だなあと(自虐)。
というわけで、大みそかにヒマってのもどうかと思いますが忙中の閑にでもどうぞ。
今回はむやみに厚くございませんし、さほど荷物になりませんよう。